以前(格安で)手に入れたボロボロの木製竿、今年の春にはリペアも完了して実釣可能だったのですが、なかなかコース・フィッシング coarse fishing (エサ釣り)の機会がありませんでした。
修理を終えた木製ロッドはこの通り。 元竿の割れたフェルールと、3番の折れた部分は接着の上スレッド補強。 ガイドは全て肉厚のオールド物に交換。 段巻きもすべてやり直したのでそれなりの見栄えになったのではないでしょうか。 |
そこで釣り物の少なくなるこの季節だからこそ、天気の良い日を選んでのんびりとエサ釣りに興じてみようと、霞ヶ浦で話題の(?)アメリカナマズ(チャンネル・キャットフィッシュ)を釣りに出かけることにしました。
この日のメインタックルは木製ロッドに同じく木製センターピンリール。 米国製ロッドと英国製リールの由緒正しいコースフィッシング・スタイル。 いずれも恐らく100年を経て僕の手元にやってきた逸品です。 となれば、フロート(ウキ)もこだわらねばなりません(笑)。 クラシックスタイルを真似て作ったオリジナルの羽ウキ(本物の鴨の羽根)です。 |
この日のポイントはとある漁港に近い護岸のエリア。 沖に湖岸の侵食を防ぐ防波堤(?)があるので、この囲まれた一帯は 波立つことも少なく、のんびり釣りをするにはピッタリです。 |
キャットフィッシュはどこにでもいるので、湖岸から2~3mの場所に 適当に仕掛けを投げ入れて待ちます。 ちなみにウキ下は1mくらいで、エサはイカの塩辛です。 |
で、しばらくすると一気に浮きを消しこんで、リールを逆転させながら走ります。 |
ファイト中にロッドの「味わい」を身振りを交えて説明中(笑)。 ちなみにこの日は11月終盤に入ったと言うのに風もなく太陽は 燦燦と照り、20度以上の気温となりました。で、思わずTシャツに♪ |
魚がヒットしてから、このロッドの持つポテンシャルの高さに驚きました。
正直、部屋の中でロッドを伸ばし、天井に竿先を当てて撓りを確認していた時は、いかにも弾力性が頼りなくひょっとしたらすぐに折れてしまうのではないかと心配していたのですが、実際は魚の引きをロッド全体で吸収し、その撓りと矯めで無理せず魚を寄せる力を発揮しました。
この日は同時にグラファイト製のルアーロッドも持っていったのですが、ルアーロッドが強い張りでパンパンと弾き合うように魚とファイトし、ある一定以上の大きな魚になるとロッドの腰がノサれて全く寄せられなくなってしまったのに対し、木製竿の方は常に魚に主導権を与えず独特のアクションで魚とのファイトを愉しませてくれました。
バンブーロッドにもいえることですが、現在も一部に熱烈なヴィンテージタックルファンの支持者を持つ理由がよく分かりました。
このロッドでの魚の引きの味わいはクセになるかも! |
魚は皆元気にリリース。 |
同行者のニコラス氏も無事に見事な一尾をキャッチ! |
イブニングタイム、この日最後のキャッツをキャッチ♪ |
霞ヶ浦の空を覆ういわし雲。 |
特にイギリスではコイ科魚釣りのクラシック・スタイルとして今も熱烈な愛好家を有しています。
また北米ではセンターピンリールの釣りはヨーロッパとは異なる志向としてトラウトフィッシングへ向かい、フロートリグ(ウキ釣り)と合わせてバンクーバー周辺のスチールヘッドトラウトを中心に各地で愛用されています。
日本でもチヌのヘチ釣りと言えばこのセンターピンと同じスタイルですね。
僕は今回はじめてセンターピンリールを使い、古い木製竿に合わせてウキ釣りを愉しんだのですが、その可能性は色々と応用できそうです。
コイを含めた雑魚釣りやバス、ブルーギル、場合によっては渓流の鱒釣りまで、機会あれば色々試してみたいと思います。
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