アブ、オービス、キラク、シマノ、セージ、ダイワ、そしてハーディ等々の釣竿を使っているけれどほとんどが4ピース以上の小継竿です。もっとも、ここ10年ほどの間にフライロッドに関しては定型サイズがほぼ4ピースとなった感があります。技術の進歩によってフェルールもロッドアクションにほとんど影響しないようになったから、メーカー側も仕舞寸法のコンパクトさに比重を置き始めたのかもしれません。
もちろん、パックロッドなら新たに釣竿を新調しても家族の目の届かないように隠しやすいという利点もあります!(笑)
さて、パックロッドと言えば僕の中で最大のインパクトを持っているのはすでに当ブログでも紹介したアブのサファリシリーズです。特にフライロッドのフェラライト・サファリ Feralite Safari はフェンウィックのブランクを採用した逸品と断言できます。
また、サファリというネーミングからもいかにもエキセントリックかつロマンティックなイメージが伝わります。これらが販売されたのは1970年代前半ですが、当然、米国市場を強く意識していました。
50年代以降の好景気、特にゴールデン・シックスティ(黄金の60年代)とも呼ばれるミッドセンチュリーのアメリカでは、著名人によるサファリ・トリップが流行しました。その筆頭はご存知ヘミングウェイですが、彼がアフリカへのハンティング・トリップに着ていたウェアはサファリジャケット、サファリシャツと呼ばれる、当時のアバクロンビーの商品でした。以降、サファリと言う言葉は未開地へ飛び立つアドベンチャーの、ある種シンボリックなイメージとなりました。
アブのトラベルロッドがこのイメージを強く意識したゆえのネーミングだったと考えるのも、あながち間違いではないのではないでしょうか。
ところで、当時のアバクロンビー&フィッチ社は、そのソフィスティケートされたサファリのイメージ戦略も奏功して飛ぶ鳥を落とす勢いで成長したわけですが、当然自社ブランドのフィッシングタックルも販売していました。もちろん独自開発したわけではなく、各有名メーカーへのOEMによってそのラインナップは構成されていたのですが、それらフライロッドのアウトフィット(セット商品)として販売されたリールを提供していたのが英国のハーディ・ブラザーズ社でした。
ハーディにとってもまた米国は重要なマーケットでしたから、すでに様々なロッドを展開し販売していましたが、このアバクロンビーとの協働はライトタックルの開発において非常に重要な経験だったと思われます。僕が渓流のフライフィッシングでいつも使っているフライウェイトというハーディ最小クラスのリールもまた、このアバクロンビーの「バンティ Banty」や「パスポート Passport」のアウトフィットとして生まれたリールと言われています。
さて、ここからがようやく今回の本題です。(相変わらず前置きが長くて恐縮です、苦笑。)
ハーディのパックロッド・シリーズもまたマーケットに異彩ときらめきを放ち続けていると言っても過言ではないでしょう。
パックロッドに良く使われるネーミングとしては前述の「サファリ」の他に「トラベル、トラベラー」、あるいは「トレイル」などがありますが、どこかウキウキした明るい雰囲気がありますよね。まさに旅する興奮や喜びが感じられる単語です。
ところがハーディの放つパックロッドのネーミングは「スマグラー Smuggler(密航者、密輸業者)」です。何ですか、この暗さは!それもまたヨーロッパらしさなのかもしれませんね(?笑)。
僕の手元にあるスマグラーは、「グラファイトスマグラー・デラックス Graphite Smuggler De-Luxe」というモデルです。幾つかラインナップがあった内の最軽量モデルで、7ft、5番、6ピースというスペックです。
ただし僕は自身の他の渓流用ロッド同様にフライラインは3番ウェイト相当のシルクラインを合わせて使っていますが、これでキャスティングに問題はありません。ブランクはグラファイトとは言えハーディらしい厚みのあるカーボンシートから作られているようで、ショートロッドながらキャスタビリティは高いです。
もちろん6ピースなので、仕舞寸法は40cm足らずと特筆すべきコンパクト性で、無理なくバックの中に納まるので、まさにパックロッド、これぞスマグラーと言えます。
そしてなんといってもそのデザイン。これぞハーディといった雰囲気が所有欲を満たしてくれます(笑)。
この僕が愛用するグラファイトスマグラーと全く同じではないのですが、類似のモデルが手元の同社2002年のカタログで紹介されていました。「クラシックスマグラー Classic Smuggler」というモデルです。
僕のロッド「グラファイトスマグラー」がシガーグリップなのに対して、このカタログで紹介されている「クラシックスマグラー」はハーフウェルです。確かによりクラシックらしい感じがしますね。それにこちらは7ピースでした。
蛇足ですが、小さく写真で紹介されている同名のスピニングロッドも格好良いですよね。たまに海外のビンテージタックルサイトで見かけることもありますが、とても僕の小遣いで捻出できる金額ではなく断念しています。いつかこの竿を手に入れる幸運が訪れたら、エラレックスをセットして釣りを愉しみたいなぁ、なんて夢見ています(笑)。
ちなみにこのスマグラーというシリーズは色々なバリエーションがあるのですが、一番有名(というかインパクトがあった)なのは同カタログにも掲載されている「ジェム・スマグラー」かもしれません。ラインナップは製造年によってばらつきがあるようですが、このカタログ上ではラインウェイトで4番から8番まで、レングスは7’8”から9’3”までのバリエーションが紹介されています。
またこのシリーズで最も目を引くのは「コンプリートアングラー Gem Smuggler Complete Angler」と呼ぶアウトフィット商品があったことではないでしょうか。ロッド、リール及び小物の単なるセット商品ではなく、ジェラルミン或いはレザーのゴージャスなケースの付いたプレゼンテーションセットとなっています。欲しいなぁ(笑)。スーツ着て飛行機で釣りに行きたくなるなぁ(笑笑)。いつもの僕はフリース&チノで高速バスですが何か?(笑笑笑)。
蛇足ですが、ハーディのラインナップにおける最初期の「スマグラー」は4ピースのグラスロッドでした。下の写真は1977年の同社カタログです。当時はグラスロッド全盛にしてカーボングラファイトが世に出始めたころです。8ft、6番ラインのスペックは渓流から湖までどこにでも旅の共に持ち出そうという気持ちが伝わってきます。
夏だ、旅だ、行くゾ! Bon Voyage and Tight Line!
もちろん、パックロッドなら新たに釣竿を新調しても家族の目の届かないように隠しやすいという利点もあります!(笑)
さて、パックロッドと言えば僕の中で最大のインパクトを持っているのはすでに当ブログでも紹介したアブのサファリシリーズです。特にフライロッドのフェラライト・サファリ Feralite Safari はフェンウィックのブランクを採用した逸品と断言できます。
また、サファリというネーミングからもいかにもエキセントリックかつロマンティックなイメージが伝わります。これらが販売されたのは1970年代前半ですが、当然、米国市場を強く意識していました。
50年代以降の好景気、特にゴールデン・シックスティ(黄金の60年代)とも呼ばれるミッドセンチュリーのアメリカでは、著名人によるサファリ・トリップが流行しました。その筆頭はご存知ヘミングウェイですが、彼がアフリカへのハンティング・トリップに着ていたウェアはサファリジャケット、サファリシャツと呼ばれる、当時のアバクロンビーの商品でした。以降、サファリと言う言葉は未開地へ飛び立つアドベンチャーの、ある種シンボリックなイメージとなりました。
アブのトラベルロッドがこのイメージを強く意識したゆえのネーミングだったと考えるのも、あながち間違いではないのではないでしょうか。
ところで、当時のアバクロンビー&フィッチ社は、そのソフィスティケートされたサファリのイメージ戦略も奏功して飛ぶ鳥を落とす勢いで成長したわけですが、当然自社ブランドのフィッシングタックルも販売していました。もちろん独自開発したわけではなく、各有名メーカーへのOEMによってそのラインナップは構成されていたのですが、それらフライロッドのアウトフィット(セット商品)として販売されたリールを提供していたのが英国のハーディ・ブラザーズ社でした。
ハーディにとってもまた米国は重要なマーケットでしたから、すでに様々なロッドを展開し販売していましたが、このアバクロンビーとの協働はライトタックルの開発において非常に重要な経験だったと思われます。僕が渓流のフライフィッシングでいつも使っているフライウェイトというハーディ最小クラスのリールもまた、このアバクロンビーの「バンティ Banty」や「パスポート Passport」のアウトフィットとして生まれたリールと言われています。
さて、ここからがようやく今回の本題です。(相変わらず前置きが長くて恐縮です、苦笑。)
ハーディのパックロッド・シリーズもまたマーケットに異彩ときらめきを放ち続けていると言っても過言ではないでしょう。
パックロッドに良く使われるネーミングとしては前述の「サファリ」の他に「トラベル、トラベラー」、あるいは「トレイル」などがありますが、どこかウキウキした明るい雰囲気がありますよね。まさに旅する興奮や喜びが感じられる単語です。
ところがハーディの放つパックロッドのネーミングは「スマグラー Smuggler(密航者、密輸業者)」です。何ですか、この暗さは!それもまたヨーロッパらしさなのかもしれませんね(?笑)。
僕の手元にあるスマグラーは、「グラファイトスマグラー・デラックス Graphite Smuggler De-Luxe」というモデルです。幾つかラインナップがあった内の最軽量モデルで、7ft、5番、6ピースというスペックです。
ただし僕は自身の他の渓流用ロッド同様にフライラインは3番ウェイト相当のシルクラインを合わせて使っていますが、これでキャスティングに問題はありません。ブランクはグラファイトとは言えハーディらしい厚みのあるカーボンシートから作られているようで、ショートロッドながらキャスタビリティは高いです。
もちろん6ピースなので、仕舞寸法は40cm足らずと特筆すべきコンパクト性で、無理なくバックの中に納まるので、まさにパックロッド、これぞスマグラーと言えます。
そしてなんといってもそのデザイン。これぞハーディといった雰囲気が所有欲を満たしてくれます(笑)。
ちなみにこのロッドを購入したきっかけは、2014年のカナダ旅行を経てからでした。その時僕は9ft、5/6番、7ピースのパックロッドで川でも湖でも釣りをしたのですが、この時の小河川での鱒釣りでは当時のロッドが少々オーバースペックなことが否めませんでした。もうちょっと小振りなパックロッドが欲しいなぁと思っていたところで偶然手に入れることができたのがこのロッドでした。以来、メインとは言えませんが事あるごとに渓流釣りで愉しんでいます。ちなみに先月は恒例のイワナ釣り遠征に使いました。(今月末も行きます!⇒行ってきました!(8/3追記))
Deluxe Classic Smuggler (House of Hardy 2002 catalog) |
僕のロッド「グラファイトスマグラー」がシガーグリップなのに対して、このカタログで紹介されている「クラシックスマグラー」はハーフウェルです。確かによりクラシックらしい感じがしますね。それにこちらは7ピースでした。
蛇足ですが、小さく写真で紹介されている同名のスピニングロッドも格好良いですよね。たまに海外のビンテージタックルサイトで見かけることもありますが、とても僕の小遣いで捻出できる金額ではなく断念しています。いつかこの竿を手に入れる幸運が訪れたら、エラレックスをセットして釣りを愉しみたいなぁ、なんて夢見ています(笑)。
ちなみにこのスマグラーというシリーズは色々なバリエーションがあるのですが、一番有名(というかインパクトがあった)なのは同カタログにも掲載されている「ジェム・スマグラー」かもしれません。ラインナップは製造年によってばらつきがあるようですが、このカタログ上ではラインウェイトで4番から8番まで、レングスは7’8”から9’3”までのバリエーションが紹介されています。
またこのシリーズで最も目を引くのは「コンプリートアングラー Gem Smuggler Complete Angler」と呼ぶアウトフィット商品があったことではないでしょうか。ロッド、リール及び小物の単なるセット商品ではなく、ジェラルミン或いはレザーのゴージャスなケースの付いたプレゼンテーションセットとなっています。欲しいなぁ(笑)。スーツ着て飛行機で釣りに行きたくなるなぁ(笑笑)。いつもの僕はフリース&チノで高速バスですが何か?(笑笑笑)。
Gem Smuggler Fly Rod (House of Hardy 2002 catalog) |
蛇足ですが、ハーディのラインナップにおける最初期の「スマグラー」は4ピースのグラスロッドでした。下の写真は1977年の同社カタログです。当時はグラスロッド全盛にしてカーボングラファイトが世に出始めたころです。8ft、6番ラインのスペックは渓流から湖までどこにでも旅の共に持ち出そうという気持ちが伝わってきます。
Hardy hollow fibre glass flyrods (Hardy '77 catalog) |
夏だ、旅だ、行くゾ! Bon Voyage and Tight Line!
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