2017年7月21日金曜日

毛鉤硅竹

 【雑魚釣りは硅竹で】という以前のエントリーで、喜楽釣具の「硅竹」というグラス製振出竿について紹介した際、「グリップにコルクがあしらわれたテンカラ竿仕様もあったようです」と書きましたが、後日、実際にそのテンカラ竿を手に入れることができました。




スペックは以下の通りです。
  • 長さ: 3.3m
  • 継数: 11本
  • 仕舞: 34.5cm(ケース長:38cm)
  • 重量: 45g
 すでに持っていたエサ釣り用の硅竹竿(以後、「硅竹」)2本との比較してみました。


 硅竹がロッド(グリップセクション)全体を覆うアルミ製カバーが付属していたのに対して、毛鉤硅竹はゴム製の竿栓(収納用保護キャップ)のみで簡略化が図られていますが、これは現在の一般的な延べ竿と同じですね。また若干仕舞寸法が長いですが、硅竹3.6mと比べると重量的にもほとんど一緒なので、節一本短い分だけ軽いという印象です。


 次に竿を伸ばして硅竹3.6mと持ち比べてみたところ、見た目の竿の太さなどは特段の違いはないものの、竿の調子は予想した通りで、毛鉤硅竹の方が胴調子になっています。そこで今度は竿の各節(ブランク)それぞれについて計測してみました。


 各竿とも節の長さはほぼ一定なので重要なのはむしろブランク直径との関係だと思います。計測値にはある程度誤差があるとの前提で見る必要がありますが、その上で硅竹4.2mを含めて、全長以外のブランク径は穂先から見る限りほとんど一緒でした。穂先から11番目の節は毛鉤硅竹のグリップ(元竿)に当たるので他と違いが出るのは当然ですが、それ以外に3番目の穂持ち下、5番目、8番目の各節にばらつきが見えます。


 特に注目したいのは穂持ち下のブランクで、この節は他の3番、5番と異なり毛鉤硅竹の方が両硅竹よりも太くなっています。ロッドビルディングをしたことがある方ならお分かりかと思いますが、穂先付近にあえて曲がりにくいセクションを設けることで、胴の方に曲がりを寄せる意図が見えてきます。もちろん各節の長さそのものも毛鉤硅竹の方が若干長い分、胴調子になりやすいとも言えます。


このように実際に計測してみると、古い竿とはいえなかなか細やかな設計がされていることがわかって興味深いです。さすが和竿職人のメーカーだというところでしょうか。


 さて、折角手に入れたのだから近いうち渓流でテンカラデビューしてみようかしら♪

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