2016年11月16日水曜日

カワスズキ再び@2016秋【1.ハーディ試行錯誤編】


 急に思い立って久々にカワスズキでもやろうか、っていう気分になりました(笑)。

 もうひと昔以上前になりますが、当時は川崎市に住んでいたこともあって良く自転車漕いで多摩川下流域へとでかけていました。
 引越しをして都心暮らしになってからも多摩川へはポツポツと釣りには行ってはいるものの、それは中流域の雑魚釣りやバス・ナマズ狙いなのでスズキの釣れる下流へはなかなか足が向いていませんでした。もっともここ数年はほとんどフライフィッシングばかりでルアーをキャストすることも年に数度あるかどうかだったのですが・・・。
 それが昨年夏に霞ヶ浦で久々に「らしい」サイズと形のラージマウスを釣ってから、ふつふつとルアー熱も再燃していたのでした。とは言え、やはり春から秋のシーズン中は渓流フライがメインなのですが、渓流がクローズしてから頭の中にルアーの存在が立ち上ってきたわけです。もちろん多摩川中流のスモールマウスバスやナマズでもルアーはやっているのですが、どうせなら「むかし守った篠塚」・・・いやいや、昔とった杵柄で多摩川のカワスズキにトライしようじゃないか。それも以前の川崎側はじゃなく、今度は東京川の岸から違うポイントで釣ってみようとなった訳です。
 実績ポイントはわからん。勘も鈍ってる。さてさて、どうなる?レッツ・ゴー!

■ ■ ■

 まずはタックル。以前はCaster 152にAmbassadeur 6000をセットした大好きなABUのベイトタックルを使っていたのですが、今回はハーディ社のスピニングロッドを使おうと思います。まあスピニングロッドとは言えリールはベイトを合わせるのですが。この辺の事情は依然エントリーした記事「そもそもスピンキャスティングとは何なのか」をご覧ください。


 そのロッドですが、ハーディ社製ソブリン・スピニングロッド Hardy, Sovereign Spining rod で、長さは10ftの4本継となっています。この「ソブリン」と言うシリーズはフライロッドのラインナップであったのは知っていたもののスピニングロッドにも展開していたとは知りませんでした。カタログも手元になく詳しいことは分からないのですが、名前が「ソブリン Sovereign(君主、統治者の意)」であることから、サーモンロッドとして使われることを意図していたのではないかと思います。
 先日、「エビでサケを釣る?」のエントリー記事でも書きましたが最近は多くの河川で調査目的の鮭釣りが行われているようなので、いつかこの竿で挑戦してみたいものです。
 蛇足ながら妻の通っている美容室の担当の方が「鮭鱒族ルアー狂」らしく、今秋行われた那珂川のサーモン調査釣行に参加し見事な一尾を仕留めたとのこと。身近に鮭釣りファンがいると知ってしまうと熱が上がりそうです(笑)。


 さて、このロッドですがルアーウェイトやアアクションなどの記載がないのですが、使ってみた感じでは1/2~1オンス位が丁度良さそうなミディアムアクションといったところです。グラファイトなので全体に張りがあるものの、ファストアクションではなく全体が撓う感じで、イギリスの竿にはこういう調子が多い気がします。ちなみにこの竿はメーカーだけでなく製造もイギリスです。
 そして同様にイギリスのスピニングロッドの伝統でグリップが非常に長いです。実測したところ、フォアグリップからグリップエンドまで75cmあります。ちなみに僕の手元にある11ftのシーバスロッド(ダイワ、ファントム JCS-1103MS)のグリップは64cmですから、それと比べると全長では1フィート(約30cm)短いのにグリップは10cm以上長いことになります。
 正直、ここまで長いと、投げ釣りなどのようにでキャスティングモーションが止まる場合は良いのですが、ルアーフィッシングのようにキャスト後動きが止まらずすぐにリーリング動作に入る場合は慣れないと使いにくいです。コツとしてはキャスティング終了直後、ルアーが着水すると同時にグリップエンドを左脇(僕は右利きで右巻きリールを使うので)に滑らせるように差し入れると良いようです。

 ところでこの竿、もちろん新品ながら少々訳ありのため、非常にリーズナブルな金額で入手することができました。ハーディのロッドにはグリップエンドにゴムが用いられているものがあるのですが、保存状態が悪いとこのゴムの部分が劣化で溶けてしまうことがあるようです。このロッドもまさにそうで、形が崩れていかにも残念な様子でした(苦笑)。もちろんロッドの性能そのものには全く関係ないのですが、見た目の印象は如何ともしがたいですね。そこで簡単にリペアすることにしました。こういうパーツと言うのがゴム部分だけで販売されているのは見たことないですし、あったとしても時間もコストも高くついてしまうでしょう。だったらいつもの方法で簡単に済ます方が得策でしょう。
 僕はスパークリングワインのコルク栓を使うことにしました。普通のワインコルクだと直径が足らないのですが、スパークリングのコルクだとほぼぴったりでした(笑)。手順は・・・

  1. ロッドについているゴム製グリップエンドを取外す。
  2. グリップエンドのベースとなる金具の直径に合わせてコルク栓に穴をあける。
  3. コルク栓をカット及び整形してエポキシでロッドエンドに装着。
  4. ウレタンクリアで塗装(そのままでも良いのだけれど、念のため)。
と、これだけ。接着や塗装の乾燥にかかる時間を除けば30分くらいだったかな(笑)。これで見栄えも悪いものではなくなりました。

■ ■ ■

 11月12日(土)、釣行1日目。
 夕まず目の「下げ(潮)」のタイミングで釣るべく、16時ごろ川岸に立ちました。まずはタックルをセット。この日のリールはAmbassadeur 5000 Sprintです。このリールには東京湾でのカヤックフィッシングに使うべくPEライン2号が巻いてあったのでそのまま使うことにしました。ちなみにカヤックフィッシングの方は予定していた日程が天候不良で中止(涙)となってしまったので、いつかまた。
 日没が近づくにつれて岸辺には群れからはぐれたのかイナッコがちらほら。沖の方ではその親がドボンドボンとジャンプを繰り返し、それなりに魚ッ気はあるようです。なんとなくイナッコに合わせて12cmくらいのミノーをチョイスして投げ始めました。


 すると背後からこんにちはと声を掛けられました。振り向くとオールドルアーやトップウォータールアーファンにはお馴染みのハネダクラフト氏。初対面の名人登場です。氏は僕から50mくらい離れた隣に立ち様子を見ています。やがて暗くなり始めた頃釣りを開始し、・・・するとすぐにヒット!えっ、まじっ!
 魚を見せてもらうと、ちょうど60cm位でした。「魚は流れについているのでトップの方が良いですよ」とアドバイスもいただきました。


 正直なところ、「流れにつく」と「トップの方が良い」の意味と言うか、理由が良くわからなかったのですが、氏の釣りを横目で盗み見ると(失礼!)、トップと言っても激しくアクションさせるのではなくてルアーにうまく流れを当てながら繊細に操作して、それはイナッコがツツツーと水面に跡を残しながら泳いでいる様子にも見えました。なるほど、参考になります。氏はその後、ちょっと離れた場所に移動してもう1尾追加したそうです。
 僕はと言うと、ルアーを昨年ラージマウスバスを釣ったレッドフィンのジョイントをずっと投げ続けましたが、何の反応ないまま20時まで・・・で、終了。


 11月13日(日)、釣行2日目。
 前夜のモヤモヤにいてもたってもいられなく、今度は朝まずめ釣行を決行。6時頃からやはり「下げ」の良い時間帯を狙うことにしました。
 前日の釣りで、どうもリールの巻き心地がしっくりこないのが気になっていました。ハイギアが良くないのか、PEラインが良くないのか、理由は良くわからないのですがずっと釣りのリズムが悪い気がしていたので、リールを変えることにしました。
 今回はAmbassadeur 5000にラインはナイロン5号(多分6、7年巻きっぱなし、汗)です。ロッドはそのまま同じハーディ竿。
 キャスト、良し。リーリング、良し。良好良好。気持ち良い。やはりクラシックスタイルのリズムがあっているようです(笑)。あ、もちろんこれは道具の問題じゃなくて僕の個人的な好みと相性の問題です(笑)。
 ところが釣り始めて15分くらい経った頃、携帯に着信アリ。急用ができたので戻れとの連絡。この朝はいけそうなリールの手応えを感じたまま、わずか15分で強制終了となりました。。次回こそ!

 11月15日(火)、釣行3日目。
 夕方、少しだけ時間があったので1時間半ほどロッドを振ってきました。川原に立ったのは15:30頃。17時には終了しなければいけないので、日没後暗くなりかけの時間帯に終わらなければならず、「これから」という時間帯を前にして少々残念ではありますが、これは仕方がないですね。何事も自分のできる範囲で楽しむべきでしょう(と言いつつ、この日の釣行そのものが「できる範囲」をすでに逸脱していることは内緒です、苦笑)。


今回は釣りそのものも目的には違いありませんが、それよりもタックルの調子をちょっと確認しておきたかったというのが一番です。先日は「アンバサダー5000」を使い、わずかな時間とは言え非常に調子が良かったので、当然ですが僕にとってのメインタックルになりうることは分かりました。そこで今回はまだ実践投入したことのないリールを使ってみることにしました。
 ハーディ社のベイトキャスティングリール(ダイレクトリール)「エラレックス Elarex」です。僕は今まで「アブ1750A」や「アンバサダー5000D」といったクラッチをオフにすることができるダイレクトドライブリールを使ったことはありましたが、このエラレックスのようにスプールのギアをフリーにする機能のない本当の意味でのダイレクトドライブリールと言うものは使ったことがありませんでした。正直なところ、ベイトリールではアンバサダー以外のリールの必要性を感じなかったということです。


 そこで今回、試しにエラレックスを使ってみたのですが、これが非常に気持ち良い!(笑)
 このリールは、その形状からオフセットタイプのグリップではレベルワインダー下部の部分がグリップにあたってしまい、僕の持っているベイトロッドでは取り付けられなかったのですが、先日来のハーディ、ソブリン・スピニングロッドを用いることでその問題はクリアできました。
 当然ながらキャスティング時には、ルアーが飛んでいくのと一緒に猛烈な勢いでハンドルが逆回転していきます。それが新鮮であり、また面白いのですが、初めて使った割にはキャスティング中のサミングの感覚が非常にしやすく感じました。ひょっとしたらギアが回転している感覚がハンドルの動きで目視できることも関係しているのかもしれません。ラインの巻取りが遅いというのは事実ですが、少なくとも水面を意識したルアーを使うのであれば全く問題はありません。一部不安があるとすれば魚がヒットしたのちのファイト中のリール操作ですが、この日もそれを試す機会には恵まれませんでした。無念。。


 さて、「カワスズキを釣るぞ」と思い立ってから釣行3回、僕自身には全く反応がないまま時間が過ぎ去りました。スズキは季節によって回遊する魚ではありますが、多摩川には一年中居付いている個体も存在するようです。もう開き直りましょう。こうなったら腰を落ち着けて釣れるまで続けてやろうと思います(笑)。

2 件のコメント:

  1. こんにちは。
    お久しぶりです。以前paddle freaksにリンクさせていただいていた塩人と申します。(いまは私以外のサイトも含めリンク自体貼られてないようですね?)

    さて、最新ツイートからホームページを拝見しカワスズキのお話だったのでついついメールさせていただきました。

    カヤックをやらなくなって随分経つのですが、最近は川釣りにかなり傾倒しておりますのでpaddle freekさんに少し近づいたかも知れません。
    ここ数年、私のメインターゲットはハスでしたが今年はハスよりも川鱸の方がよく釣れているうちにメインターゲットが川鱸になってしまいました。というわけで私なりの川鱸釣りをご紹介させていただきます。私は主に江戸川、東京湾河口から上流30km付近でやっていますが本文にある通りやはり流れについていますね。川の流芯ではなく岸寄り(それもかなりの岸寄り)でのヒットばかりです。岸寄りで水深があって流れに変化のあるところ。これが私が導き出した川鱸の居場所です。必ず居付くので反応があった場所には入れ替わり立ち替わり魚が入ります。居着き場所のストックを貯めて巡回していくという釣りになります。ちなみに私はレンジバイブ55ES(10g)のダウンストリームキャストからのタダ巻き、これ一本です。10月はほんとよく釣れました。11月に入り水温が下がってからは魚の顔が見れておらず今は富津ウェーディングに切り替えました。でもスズキ釣り、なかなか面白いですよね。長々と失礼しました。ご参考になれば幸いです。Instagramに釣果をアップしています。よろしければ覗いてみて下さい。アカウントは@aokishigeru です。ではまた。


    塩人(そると)

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    1. こんにちは。
      大変丁寧に解説していただきありがとうございます。海の魚なのに流れにつくって面白いですね。あ、海の魚だからカレントに敏感なのかもしれないな。
      カヤックフィッシングの仲間からは東京湾でスズキの釣果が上がってきたとの情報も得ているので、時期的にはもう川じゃないのかもしれないですね。そうなると、冬を超えてバチ抜けまでお預けかな?(笑)

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